低周波型加速度センサー
産業用途における多くの振動モニタリングでは、低周波型を使用することが非常に重要となる場合があります。石油化学、マシンツール、製紙などの業界では、コンディションモニタリング及びプロセス測定のために低周波型が使われています。また、低速の攪拌器、クーリングタワー、半導体リソグラフィー、構造物試験などにも使用されています。
低周波測定と低レベル振動とは密接に関連しています。図にしめされているように、低周波における加速度レベルは低下しますが、測定機器に対し適切な電圧信号を供給するため、低周波型センサーは汎用型センサーよりも大きな感度出力(通常は51mV/(m/s2))をもたせるようにしてあります。また、低周波側のカットオフも、低スピード振動信号を読み取るため改善(0.1Hz@-3dB)されています。
ウィルコクソン社の低周波型加速度センサーはすべて、オンボード回路上にローパスフィルターを組み込んでいます。低周波測定とは、通常低レベル振動そのものになりますが、センサーの機械的ゲインは、アンプ内において非常に高い信号レベルにされます。高周波信号はセンサーの共振点を簡単に励起させ、その結果アンプが最大電圧となり飽和状態となってしまいます。
これにより信号がクリップ信号となり歪を生じます。高感度センサーでこの保護機能をもっていないものは、簡単にデータ読み取りが出来なくなったり、またデータの信頼性が極端に落ちてしまいます。