電磁型加振器システム F3/Z602WA
モデルF3加振器はダイナミックフォースを発生するリアクション型加振器で、振動研究や試験のためサンプルへ振動を与えます。その動作原理やコンパクトで軽量な構造により、取付け方向を選ばず、外部サポートが不要、シャフトアラインメントなどを気にせず使用できるなどの特長があります。
F3電磁型加振器は円柱形の永久磁石採用加振器で、磁石が外側のケースへ強固に取付けられています。可動コイルは磁石を取り囲むアルミ製のボビンに巻かれており、このコイルとボビンはきれいな軸運動で動作できるよう2つの天然ゴム製ダイヤフラムへ吊された構造になっています。重心位置が低いため、加振器による回転方向の動きを最小化でき、また懸垂重量は共振点より上での回転方向や縦方向の慣性に影響を与えないため、付加ダイナミック重量が低くなっています。
このことにより、構造物の回転軸インピーダンスが縦軸インピーダンスよりも低い場合によく見られる、データの整合性が低いという問題を抑えることができます。F3は可聴周波数範囲で広く使えるよう設計されています。加速度センサーとフォースゲージを組み込んだZ602WA インピーダンスヘッド付きはモデルF3/Z602WA、またはインピーダンスヘッドが不要な場合は、ダミープラグ付きモデルF3/DPLUG となり、このインピーダンスヘッドやダミープラグを通してサンプルへ振動を与えます。
モデルZ602WAインピーダンスヘッドは円柱状構造になっており、圧電型加速度センサーとフォースゲージを内蔵しています。このトランスデューサーは与えられたフォースや構造上の動きを測定するために使用されますが、これらの測定により機械インピーダンスを得ることができます。圧電型フォースゲージと加速度センサーからの高いインピーダンス電荷信号は、ピエゾFETRローノイズ・チャージアンプにより内部で増幅されますが、それぞれのアンプは定電流DC 電源供給が必要となります。Z602WAインピーダンスヘッドは、取付けの際に過度な力が加わらないにようするため、コンタクト部の面積は14mmと狭くなっています。フォースゲージ以下(20グラム)の非常に低い質量により、エアーフレームや模型、それに軽量機械など、比較的重量の軽い構造物の測定も可能になりました。